ナシガアル

大畑 和真

「楽しい」って何だろう。

いろんな人に聞いて言語化してもらっても、そのどれもが自分にとってしっくりくる答えではなかった。

 

1年前と比べると、明らかに気持ちの入り方が違うことを自分でも感じていました。

怪我から復活して何としてでも這い上がりたい、駅伝で絶対に結果を残したいという思いがあったから、1つひとつの練習や試合に向かっていく姿勢や熱量があったんだと思う。

(昨シーズンの競技に対する思いは過去のブログを読んでみてください)

 

自分がどこに向かっているのかも分からず、心の底から気持ちが燃え滾っている感覚もなく。

競技と向き合っているつもりではいたけど、多分がむしゃらさや必死さ、目標達成に対する執念が足りていなかった。

 

上期は思うように走れないことが多かったけど、夏にマラソンを走るという初めての試みに少しワクワクした気持ちがありました。

暑さに対して苦手意識はなく、むしろ得意な方なので、夏合宿シーズンになると自然と調子が上がってきている手応えを感じていました。

練習の消化率も高まっていき、本番でどれぐらい走れるのだろうという期待感がありましたが、試合2日前にアクシデントがあり、当日は万全の状態でスタートラインに立つことができませんでした。

 

試合に出場するか迷うレベルで、これはやばいことになったと正直不安でいっぱいでした。

練習が積めてきていた自分自身に対する少しの期待感と、何もせず辞めたくないという気持ち、試合になったら何とかなるかもしれないという根拠のない望みだけを頼りに押し切りました。

とにかくスタートラインには立ちたかった。

「本当に無理になったら途中で辞めればいい」

そう割り切って気持ちに余裕を持たせることが精一杯で、レースプランなど考える余裕なんて全くありませんでした。

心を決めたつもりではいたけど、ウォーミングアップからスタートラインに立つまでの時間が本当に怖かった。

 

マラソンに出場する際は、毎回スペシャルドリンクを作っています。

ボトルを取るのが上手な方ではないので、なるべく目立ち、且つ取りやすいように工夫していますが、今回はチームメイトたちがイラストを描いてくれました。

テレビ越しで試合を見ている方は、あまり間近で見たことがないかもしれません。

キラキラしたボトルだったり、派手なデザインだったり、、みたいなイメージでしょうか?

試合展開だけでなく、選手がどんなボトルを作っているのかを見てみるのも、マラソンを観戦する1つの楽しみ方にしてもらえたら面白いかもしれません。

 

今回のマラソンで実際に使用したボトルです。

みんな本当に絵が上手い。(できれば毎回描いてもらいたい)

全部で16枚あるイラストは僕のInstagramに投稿しているので、興味のある方はこっそり覗いてみてください。

@kazuma.ohata

 

せっかくみんなにイラストを描いてもらったボトルだったので、全部取ってゴールまで行きたかった。

5kmごとボトルを取るたびに元気をもらえて、不安な気持ちはあったけどゴールまで背中を押してもらえました。

 

駅伝やロードレースなどでよく選手同士で給水の受け渡しをするシーンを見ることがあるかと思います。

給水が難しくなるマラソンでは、そういったシーンがより多く見られるような気がしています。

勝負の世界でありながら、みんなで協力していこうといった意識を凄く感じていて、他の種目にはないそんな雰囲気が「マラソンって良いな」って思える要素の1つになりました。

 

今回のマラソンを走ったことで、不完全燃焼で終わってしまった悔しさだったり、マラソンって面白いなとか、またチャレンジしたいなとか。

いろんな感情を持てたことが凄く良かったなと感じています。

結果は良くなかったけど出場して良かった。

次のマラソンで今回の気持ちをしっかりぶつけていきたいと思います。

 

そしてもう1つ、僕の気持ちを前向きな方向に導いてくれた人がいます。

競技は違いますが、ずっと応援している選手です。

常に挑戦する姿、生き様がとにかくカッコ良い。

「関係ないっしょ、気持ちっしょ!!」

その選手がよく口にする言葉で、この言葉を夏のテーマにして過ごしていていました。

根性論のように聞こえるかもしれませんが、気持ちって結構大事だなって思います。

心が整っていないとやっぱり上手くいかないことが多いなと身に染みて実感しています。

 

つい先日、世界タイトルマッチが行われたのですが、普段以上に気合が入っていて魂を感じる試合でした。

本当にカッコ良かった。

めちゃくちゃ勇気をもらえた試合で、失っていた大事な気持ちを思い出させてもらえたし、自分もこんな選手になりたいと思いました。

競技を通して「自分と向き合う」

その大切さを教えてくれた存在です。

 

冒頭に書いた「楽しい」って何だろう。

小さい時、そして陸上を始めた頃の僕はそんなことなんて考えたりすらしていなかった。

楽しいってことに意味なんて求めたり考えたりする必要なんてなくて、取り組んでいること、夢中になっているその時間がただただ尊いものなんだと気づきました。

競技に限らず、仕事でも勉強でも、何でも楽しんで取り組めている人の方が成長できると思います。

今の僕、そしてここ数年間の僕はそれができていなかったんだと思う。

 

選手でいながら選手らしくない気持ちで過ごし、シーズンの半分があっという間に過ぎ去っていってしまいました。

発する言葉と自分の心の本音とのギャップに気持ち悪さを感じることもあったり。

表向きにはポジティブでいようとしていたんだと思います。

マラソンを走ってから今日までの期間でいろんな感情が湧いてきてきたり、気づきがあったり。

それらの気持ちを今持てたからこそ、シーズンの残りの期間は熱量を込めて取り組める気がします。

抜け殻になっていた「無」の状態から、ようやく普通の人間に戻ってきました。

 

下期は3試合に出場予定です。

・11月14日(土)九州実業団長距離記録会10000m

・12月6日(日)熊本甲佐10マイル公認ロードレース

・2月7日(日)別府大分毎日マラソン

 

タイムや結果がほしい気持ちは正直あるけど、1番は「納得のいく走りができた」と心の底から思えるような走りがしたいです。

でも結果にもしっかりこだわって。

そして楽しめたその先に、今日より良い景色が見れると信じて。

大畑 和真 KAZUMA OHATA

1997年03月22日生まれ

静岡県焼津市出身

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