「なんこれ、どういう意味?」
山口 晟弥
年末も差し迫る中、先日新語・流行語大賞のノミネートワードが発表されました。
今年は野球関連の言葉が多く、「村神様」、「BIGBOSS」、「キツネダンス」などノミネート30語のうち6語が野球にまつわる言葉でした。
以前も僕のブログを読んでくださった皆さん、今、こう思いましたね?
「こいつ、野球の話しかしてねえじゃん!」って。
このまま野球の話を押し進めようとも思いましたが、その気持ちはぐっと抑えて、ほかに気になった言葉を紹介したいと思います。
まず僕の目に留まったのは「ヌン活」という言葉です。
社会情勢に関わる堅苦しいワードが目立つ中、言葉の響きが明らかに異彩を放っています。
こちらは「アフタヌーンティー(イギリス発祥:昼下がりにお茶や軽食をいただきながら、友人と話したりすること)を楽しむ活動」を略した言葉で、ホテルのラウンジやおしゃれなカフェなどの普段の生活とは少し離れたラグジュアリーな場所でアフタヌーンティーをゆっくりと楽しむことを表します。このヌン活が人気を博している理由はホテルでのディナーほど敷居やかかる費用が高くない中でも非日常的な空間を楽しめること、そしてスイーツなどの見た目の良さから写真が映えること、そのような点にあるようです。最近では頻繁にメニューが更新されるお店も多く、いつ行っても新しい味が楽しめるということも人気につながっています。
ここまで丁寧に説明をしてきたものの紅茶を飲まない、写真も滅多に撮らない私にとっては今後一切、関わることのない言葉になりそうです。
もう一つ気になった言葉が「ガチ中華」という言葉です。
見ただけでなんとなく伝わる、安直なネーミングが好きです。
こちらはそこらにあるふらっと入れてチャーハンやエビチリ、麻婆豆腐がおいしい中華屋さん、いわゆる「町中華」ではなく、日本に渡ってきた中国語圏の方が、現地そのままの味や形の料理を提供する中華屋さんを表します。
一般的な「町中華」は日本人好みの味に仕上げられていますが、「ガチ中華」は自分たちが生まれ育った場所の料理を楽しんでもらうというスタンスのため、私たちが見ると少しインパクトがあるなと思う見た目や刺激が強いなと思う味のものがあるとのことです。
なぜ流行語になるまで人気になってきたのか?それは、海外に行きづらい近年の社会情勢にあるといわれています。日本人としては現地に行かずとも現地さながらの食を楽しめる、中国出身の方としては、なかなか帰郷できない状況の中でも故郷の味を楽しむことができる、そのような点が人気に火が付いた理由ではないかといわれています。
近年の激辛ブームも相まって、この「ガチ中華」に対する熱い視線はさらに強くなるのではないかと思います。
私自身、中華料理は大好きなので今まで触れてきた中華料理とはどう違うのか、それを自らの舌で確かめるべくこれを機にガチ中華を提供しているお店に行けたらいいなと思っています。
このように新語・流行語を眺めていると、紹介した二つをはじめ流行っているはずなのに知らないという言葉がいくつかありました。昔、祖父母や両親が知らない言葉を見て「なんこれ、どういう意味なん?」と言っていたことを思い出し、こういう感覚なんだなということを身をもって感じました。少しショックです。
いつまでも若くいるためにあらゆる方向にアンテナを張って日々過ごしていきましょう。